『泳ぐのに,安全でも適切でもありません』江國香織☆集英社文庫

syoka2005-03-04



第15回山本周五郎賞受賞の短編集。最初の一編を読みだしてすぐに,ワタシの知っている(と思っていた)江國香織の作風とは随分違い,少々面食らった。好き嫌いの分かれる短編集かもしれない。ワタシは好きだ。甘ったるくなくシャープで,淡々としていて,覚悟のある文章だと思う。最後の一編『愛しいひとが,もうすぐここにやってくる』の最後の2行が,妙に印象に残った。江國香織は,こんな小説も書ける人なのだった。